無一文で旅に出る
無一文で旅に出る
いや、もっと正確に言うと目的地に着く前に無一文になった。
僕はかねてから計画していた神戸の友達(仕事をやめた)の元へ広島から軽やかに旅立った。
だが、しかし!!!
事件は乗り込んだバスの中で起こったのだ…
乗りこんだバスの中で、のんきにおむすびにかぶりついている時にある事件が発覚したのだ。
ハッ!!
バックが無い。
大きなバックとは別に財布を入れていた小さなバッグ、略してコバックが無い。
前にも後ろ、すなわちバック(バックだけに)にも、右にも左にも、コバックが無いのである。
ガビーーーーン!!!
忘れたーーー!!!
WA SU RE TA
小谷サービスエリアのトイレに忘れた。
見事なまでにトイレに置いたことを忘れて
そのまま軽やかにバスに乗り込んで無一文のまま、おむすびにかぶりつく僕。
完全にアホである。
既に現金を抜き取られて財布とコバックが捨てられている可能性が頭をかすめなる中、すぐさま次のサービスエリアでの休憩中に小谷サービスエリアに電話をかける。
すると…バックの届け出があったのだ!!
それも中身もまるまる手付かずで。
人は優しいということ
国が国なら、すぐさま現金だけ抜き取られて捨てられてもおかしくないはすだ。そんな中で手付かずの状態で忘れたものが戻ってくることって実はありえないような奇跡なのだと思うんです。日本という国の素晴らしさは一人一人の人の心なのだと思う。この国の宝は人であり、人はこの国の希望そのものだ。
頼みの綱の友人は
まず思い浮かんだのは神戸の友人に連絡を取り迎えにきてもらうことだった。友人の元に行く前に大阪も見たかった僕は大阪駅着のバスに乗っていたので、神戸までの電車賃すら無いことになる。何故なら現在進行形で無一文だから。
そんな時に限って友人に送ったラインは既読にならず、電話をかけたところ…
おかけになった電話は
電源が入っていないか電波が届かない為かかりません
おいおい、神よ
無情かっ!!!
または
なんて日だ!!!
(バイキング)
そんなことを考える余裕があるなんて、人はハプニングが起こった時、意外に冷静だ笑
まぁとにかく友人につながらなければ話にならないということで別の手を考えねば。
自分をオープンにする
無一文でバスに揺られている中、僕は考えた。こういう時できることと言えば、素直に頼むことぐらいしか無い。
よし、決めた。
ことの経緯を話して、バスの運転手さんに電車賃320円を貸して下さいと頼もう。
もはや失うものは何も無い。だってすでに無一文だから笑。
次の休憩時間に、運転手さんに事情を話すと
「とにかく見つかってよかったですね。(お金は)全然気にしないでください」と微笑んでくれました。
ありきたりな言葉になってしまうけど
人は優しい。人は優しい。
お名前だけ聞いて、バス会社に
お礼のお手紙を書こうと思う。
自分をオープンにすることが全ての始まりのような気がします。
優しさと愛はまわすもの
ふと考えてみると僕は今まで沢山の優しさと愛を受けてここまで生きてこれたんだなぁと、なんだかじんわりと心があたたかくなる気持ちになりました。
恩返しっていう言葉があるけれど、昔お世話になった人に言われた言葉で今も大切にしている言葉がある。
「自分がしてもらって嬉しかったことを他の誰かが困っている時や、つまずいている時にしてあげな」
優しさと愛は、まわすものなのだと思う。
優しさと愛をまわすことで世界の空気は、あたたく、やわらかなものになる。
僕もまわしていこうと思う。
love yourself first
軽やかに生きよう